肺ペストが中国で発生とのニュース報道がありました。(2019/11/19)
ペストの名前は知っていても、肺ペストは知らなかったので調べてみました。
その結果、大変に恐ろしい感染する危険な病気であることがわかりました。
中国からの観光客が多い中、ペスト菌の上陸を防ぐことができるのでしょうか。
肺ペストの症状や感染経路、予防や原因について紹介します。
目次
肺ペストの症状
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まず、厚生労働省と東京都感染症情報センターで調べた肺ペストの症状をこちらに紹介しておきます。
ペストには「腺ペスト」「敗血症ペスト」「肺ペスト」の3種類があって、その中でも最も危険なタイプが肺ペストでした。
肺ペスト症状その①
ペスト菌による気管支炎や肺炎を起こし、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の弛張熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示し、2~3日で死亡する。
引用:厚生労働省
肺ペスト症状その②
肺ペストは高熱、頭痛などの非特異的な症状で発症しますが、症状の進行が早く、喀血、呼吸器困難をきたす重症急性進行性肺炎となります。
引用:東京都感染症情報センター
肺ペスト症状その③
肺ペストでは肺への感染が起こります。
その症状は、細菌に接触してから2~3日後に急に始まります。
高熱、悪寒、心拍数の増加のほか、しばしば重度の頭痛がみられます。
24時間以内に透明なたんを伴ったせきをするようになり、その後すぐに血が混じるようになります。
その結果、たんはピンク色か鮮やかな赤色(ラズベリーシロップ様)を帯びて泡沫状になります。呼吸が速くなり、息苦しさを覚えます。
治療を受けないと、ほとんどの場合、症状が出てから48時間以内に死亡します。
出典:MSDマニュアル家庭版
いずれの解説を読んでも肺ペストは非常に危険な、しかも感染する病だということがわかりますネ。
※「黒死病」といわれ皮下に黒い出血斑がでるのが、肺血症ペストです。
肺ペストの感染源は腺ペストと敗血症ペスト患者!?
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腺ペストや敗血症ペストに感染した患者が、肺に菌が侵入して肺炎を発症して、肺胞が壊れて、痰やペスト菌エアロゾルを出すようになると、この患者が感染源になって人から人へと大変速く感染する肺ペストを発症するそうです。
腺ペストや敗血症ペストの患者が、肺炎を発症しないようにすれば肺ペストは防げるということになりますネ。
出典:国立感染症研究所
ペスト患者の割合
・腺ペストは約80~90%
・敗血症ペストは約10%
約80~90%とほとんどは腺ペスト。
そして肺血症ペストが約10%なので、肺ペストを発症する割合はとても少なくて稀な感染症といえますネ。
発症例が少ないということは、経験した医師も少ないでしょうから、医療の対応のほうは大丈夫なんでしょうか?
腺ペストの症状
ペストで最も多いのが腺ペストなので、その症状も調べました。
腺ペストは最も一般的な種類です。
腺ペストの症状は、感染後数時間から12日後に現れます(通常は2~5日後)。
突然、悪寒と発熱(41℃に達する場合もある)が起こります。心拍は速くかつ弱くなり、血圧が下がることもあります。多くの患者がせん妄状態に陥ります。
通常、発熱する直前、または発熱とともに、鼠径部、わきの下、または首のリンパ節が腫れます。
この腫れたリンパ節は、横痃(おうげん)あるいは横根(よこね)と呼ばれます。
これらは固く、赤く、熱をもち、触れるとひどく痛みます。2週目にはリンパ節から膿が漏れ出すことがあります。肝臓や脾臓が腫大することもあります。
治療を受けないと、通常は3~5日目に、60%以上の人が死亡します。
出典:MSDマニュアル家庭版
腺ペストの逝去率が60%以上と高いですが、肺ペストはほとんどの場合が逝去なので腺ペストよりも非常に危険ということがよくわかりますネ。
※肺ペストと腺ペストの違いについてこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧くださいネ。
⇒『「肺ペスト」と「腺ペスト」3つの違いとは?中国で感染者!』
※中国で原因不明のウイルス性肺炎が発生しました。(2020/01/03)
こちらの記事で、肺炎の種類と予防について紹介していますので、ぜひご覧くださいネ。
⇒『ウイルス性肺炎の予防と方法とは?感染経路を断てば防げる!?』
肺ペストは危篤まで一気にすすむ
・潜伏期間は通例2~3日(最短12~15時間の例あり)
・逝去まで発病後12~24時間(発病後5時間の例あり)
39~41℃の発熱があり、強烈な頭痛に襲われて吐いたり、急激な呼吸困難や真っ赤な泡立った血痰がでるようになると確実に命が危ないそうです。
ペスト菌の感染経路と原因
ペスト菌をもっていたネズミなどから、ノミを介して人に感染します。
感染した人や動物の排泄物から、傷口や粘膜を介しても感染します。
また、飛沫でも感染します。
感染経路をみるとマスクは必要になってきますネ。
予防のポイント
上記の経路で感染するので、まずノミにかまれないことです。
ネズミがいるお家は少ないと思いますので、ノミの駆除だけは徹底的にやっておきましょう。
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ノミはペットにはいるかも知れませんが、家の中にはほとんどいないと思います。
もしかすると、昭和生まれの方でないとノミもどんなものかわからないかも知れませんネ。
ノミの特徴はこちら
ノミの大きさは約3ミリで大変に小さく動物の毛に隠れています。
日本にいるノミの種類は約80種類。
人や猫や犬に寄生します。
ネコノミ、イヌノミどちらも1ミリ~4ミリ程度の体長で、成虫のノミは動物や人の血を吸い活動しています。
こちらの予防方法を徹底しましょう。
・ペスト菌を保有するノミやネズミの駆除
・げっ歯類(ネズミ・リス・ヤマアラシなど)に直接接触しないこと
・腺ペスト・敗血症ペスト患者に接触しないことまた体液に触れないこと
治療
抗菌薬が成果があるとのことなので、とにかく速く病院へ行き、進行がとても速いので早期治療を受けることがとても重要です。
抗菌薬は、(アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、ニューキノロン系)が使用されます。
日本では 1926年(大正15年)から患者は出ていない
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あの有名なペスト菌の発見者である北里柴三郎博士や、日本政府の働きで、1926年から今日まで患者は出ていません。
「あ~、よかった。じゃあ安心だ!」って一瞬思ったんですけど・・・
てことは、約93年間くらいペスト患者がいなっかったことになりますネ。
だとすると、今の日本の医師の先生は、ほとんどの方がペスト患者を診たことがないのでは?
まして、肺ペストは非常に稀な感染症・・・
いろいろ考えるととても恐ろしくなってきますネ。
でも、診たことがなくてもしっかり勉強はされてるはずですから、きっと大丈夫だと信じたいと思います。
まとめ
中世のヨーロッパではペストの流行で約5000万人が逝去しています。
でも、抗生剤が開発されてからは、早期に治療を受ければほとんどは治癒が見込めるようになっています。
報道されたニュースでは、2人が北京の病院で治療を受けていて「肺ペスト」と診断されました。
日本では1926年よりペスト患者は出ていません。
肺ペストは非常に稀な感染症なので、早期発見と早期治療で対応するしか方法はないようです。
もちろん、絶対にペスト菌を上陸させてはいけませんし、ネズミやノミの駆除も徹底しなければなりません。
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