肺ペストが中国で発生したニュース(2019年11月14日)がありましたネ。

 

患者は2人でしたが、3人目が出たようです。

 

ただし、この患者は腺ペストで、16日に内モンゴルで確定診断が出たようですが、感染は広まってはいないとのことです。

 

でも、油断しない方がいいです。

 

どちらも非常に危険な「肺ペスト」と「腺ペスト」の違いを紹介します。

 

 

「肺ペスト」「腺ペスト」3つの違いとは?

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肺ペストと腺ペスト3つの違いは、感染経路、潜伏期間、逝去率がそれぞれ違います。

 

 

①感染経路の違い

 

肺ペストは人から感染しますが、腺ペストはノミを介して感染しますので感染経路が違います。

 

肺ペスト:人から人への飛沫感染。腺ペストや敗血症ペスト患者が肺炎を発症すると、痰などを出すようになり、この感染者が咳などで出す飛沫で人に感染します。腺ペストから続発する場合もあります。

 

腺ペスト:ペスト菌を保有するげっ歯類(ネズミやリスなど)からノミを介して人へ感染します。

 

 

②潜伏期間の違い

 

肺ペストより腺ペストの方が潜伏期間がやや長いです。

 

肺ペスト:1~4日

腺ペスト:3~7日

 

 

③逝去率の違い

 

 

どちらも非常に危険ですが、比べると逝去率がかなり違います。

 

肺ペスは、腺ペストの60%以上よりさらに逝去率が高く、治療しなければ100%に近いと言える恐ろしい感染病です。

 

肺ペスト:治療を受けないと、ほとんどの場合、2~3日で逝去。

腺ペスト:治療を受けないと、3~5日で60%以上が逝去。

 

 

肺ペストとは?

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肺ペストについて、厚生労働省MSDマニュアル家庭版の解説を紹介します。

 

 

ペスト菌による気管支炎や肺炎を起こし、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の弛張熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示し、2~3日で死亡する。
出典:厚生労働省

 

 

肺ペストでは肺への感染が起こります。

 

その症状は、細菌に接触してから2~3日後に急に始まります。高熱、悪寒、心拍数の増加のほか、しばしば重度の頭痛がみられます。

 

24時間以内に透明なたんを伴ったせきをするようになり、その後すぐに血が混じるようになります。

 

その結果、たんはピンク色か鮮やかな赤色(ラズベリーシロップ様)を帯びて泡沫状になります。呼吸が速くなり、息苦しさを覚えます。

 

治療を受けないと、ほとんどの場合、症状が出てから48時間以内に死亡します。
出典:MSDマニュアル家庭版

 

 

※肺ペストの症状・予防・感染経路についてこちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧くださいネ。

『肺ペストの症状・予防・感染経路は?治療しないと確実に逝去!?』

 

 

中国で原因不明のウイルス性肺炎が発生しました。(2020/01/03)

 

こちらの記事で肺炎の予防と種類について紹介していますので、ぜひご覧くださいネ。

『ウイルス性肺炎の予防と方法とは?感染経路を断てば防げる!?』

 

 

腺ペストとは?

 

腺ペストについて、厚生労働省MSDマニュアル家庭版の解説を紹介します。

 

腺ペスト(ヒトペストの80~90%を占める)潜伏期は2~7日。感染部のリンパ節が痛みとともに腫れる。菌は血流を介して全身のリンパ節、肝や脾でも繁殖し、多くは1週間くらいで死亡する。
出典:厚生労働省

 

 

腺ペストは最も一般的な種類です。

 

腺ペストの症状は、感染後数時間から12日後に現れます(通常は2~5日後)。

 

突然、悪寒と発熱(41℃に達する場合もある)が起こります。心拍は速くかつ弱くなり、血圧が下がることもあります。多くの患者がせん妄状態に陥ります。

 

 

せん妄とは:せん妄(せんもう)とは、意識障害が起きて頭が混乱した状態のことです。時間や場所が急にわからなくなる場合が多いです。他にも、大声を出す、そわそわと動き動き回る、暴力などの興奮状態になることがあります。
集中できなくなる、最近の出来事を忘れる、どこにいるのかが分からなくなる、会話が噛み合わなくなるなど認知症のような症状がでることもあります。昼夜逆転や、睡眠中も落ち着きがないなど睡眠リズムの障害が起きる場合もあります。

 

 

通常、発熱する直前、または発熱とともに、鼠径部(そけいぶ)、わきの下、または首のリンパ節が腫れます。

 

鼠径部(そけいぶ)とは:お腹でいえば、下腹部にあたります。足の付け根のややくぼんだ線より上にある三角状の部分をいいます。

 

 

この腫れたリンパ節は、横痃(おうげん)あるいは横根(よこね)と呼ばれます。

 

これらは固く、赤く、熱をもち、触れるとひどく痛みます。2週目にはリンパ節から膿が漏れ出すことがあります。肝臓や脾臓が腫大することもあります。

 

治療を受けないと、通常は3~5日目に、60%以上の人が死亡します。
出典:MSDマニュアル家庭版

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まとめ

 

最初に書いています「3人目のペスト患者は腺ペストだった」ですが、中国在住の日本人の方からの情報です。

 

中国ではニュースとして出たようですが、日本のマスコミでは今のところ出ていません。

 

日本に入る情報が少なすぎで心配ですネ。

 

また、中国は日本の10倍以上の人口であることと、お国柄を考慮すると、最初のニュースの2人が肺ペストに感染というのも、20人ぐらいではないかという説もありますネ。

 

中国には、しっかり感染者の治療をして、肺ペストも腺ペストも拡大しないようにしてほしいものです。

 

肺ペストも腺ペストも早期に治療しないと生命に関わる非常に危険な感染する病気です。

 

日本では約93年程前からペスト患者が発生していませんが、中国からの観光客も多いので注意しましょう。

 

2019年11月14日の産経新聞のニュースをこちらに載せておきます。

 

「中国で肺ペストが発生したという報道です。」

 

中国の内モンゴル自治区の住民2人が肺ペストを発症したことが12日判明した。北京で治療を受けており、1人が重体という。国営通信、新華社が14日伝えた。肺ペストは飛沫感染などで人から人へと広がる可能性がある。

 

発症したのは内モンゴル自治区シリンゴル盟の2人。救急車で現地から北京の医療機関へ運ばれた。当局は2人と濃厚接触した人の追跡や隔離措置を取っており、感染の拡大は確認されていないとしている。

 

日本の厚生労働省のウェブサイトによると、ペストは主に保菌者の唾液などが感染経路の肺ペストと、ネズミなどからノミを介する腺ペストとに分けられる。

 

肺ペストは高熱や重い肺炎などを起こし、命に関わる場合もあるため早期の治療が重要という。

出典:産経新聞

 

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ここまでお読みいただきありがとうございます。