古くから民間薬としても活用されていた梅は、身体に嬉しい効果がたくさんあります。
疲労回復や食欲増進、血液サラサラ、生活習慣改善、美肌、エイジングケアなどなどに期待されています。
ただし、生の青梅は中毒症状の危険があるので食べるのはNG!
そんな梅の成分と効能などについて紹介します。
目次
生の青梅には毒がある!?
スポンサーリンク
梅の種や果肉には、「アミグダリン」という物質が含まれていいます。
アミグダリン成分は、人間の体内に入ると呼吸困難や、めまいなど中毒症状を引き起こす原因になります。
とくに未熟な青梅の種は、アミグダリンが多く含まれているため、生のまま食べることはできません。
梅が生ではなく、砂糖や塩に漬けたり、干したりして加工されているのは、アミグダリンを無害化し、安全に食べることができるようにする目的もあります。
梅の成分
梅には疲労回復などに有効とされる有機酸(クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、その他)が多く含まれています。
有機酸は腸内細菌のバランスを整える作用や、大腸の悪玉菌を抑える作用があると言われています。
さらに梅には、タンパク質やミネラル(ビタミン、カルシウム、カリウム、リン、鉄など)も豊富です。
梅に含まれるミネラルは、「リンゴやみかん」より豊富で、カルシウムはリンゴの4倍、鉄は6倍で、マグネシウムや亜鉛も梅の方が多いのです。
梅の成分の詳細はこちらでわかります。
「梅の成分表」(外部リンク)
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
梅の効能
梅には多くの優れた働きがあると期待されていますネ。
スポンサーリンク
ミネラル(カルシウムや鉄)の吸収を高める
体内では吸収されにくい、カルシウムや鉄といったミネラルは、梅の酸味成分であるクエン酸とあわせて摂ることで吸収を高めることができます。
ミネラルが不足すると、人の体はバランスを崩し、いろいろな病気を引き起こしてしまいます。
カルシウムは身体に定着しにくく、カルシウム吸収率は年齢とともに低下しますので、高齢者はもちろん大人から子供まで梅は摂りたいアルカリ性食品です。
食べ物の消化を助ける
梅の酸味(クエン酸)は、唾液といった消化液の分泌を盛んにするため、食欲を増進させたり食べ物の消化を助けるはたらきがあります。
また、微量に含まれているピクリン酸が腸の働きを活発にし、便通の改善も期待できます。
抗菌効果
梅干に含まれるクエン酸やリンゴ酸などをはじめとした有機酸は、強い抗菌作用があることがわかっています。
そのため、おにぎりやお弁当に梅干を入れることで、菌の繁殖を抑え、食中毒を予防することが期待できます。
梅はアルカリ性食品
すっぱい梅干しですが、アルカリ性食品なので、少し食べるだけでも酸性を中和することができます。
人が健康を維持するには、体の酸性とアルカリ性のバランスをとる必要があり、弱アルカリ性を保たなければなりません。
でも、主食には酸性食品が多く、お酒も体を酸性にし、現代人は酸性食品を多く摂っています。
体が酸性化すると血液がドロドロになり流れが悪くなり、様々な病気の原因となります。
牛肉100gを食べたとき中和に必要な量を比較すると下記で、とても梅干しが効率良いことが一目瞭然です。
【牛肉100gを中和には?】
・梅干し:5g(約1/2~1個)
・きゅうり:約900g(約9本)
「きゅうり9本も食べれないですよネ?」
梅干しの成分ピルビンは酸肝機能強化
梅干しのピルビン酸は、肝機能の強化に有効といわれていますので、お酒を飲んだら梅干しがおすすめ。
梅の加熱製品に含まれる成分ムメフラールは血液がサラサラに
梅を加熱した製品(ジャムや梅肉エキスなど)には、梅に含まれる糖とクエン酸が結合し、ムメフラールという成分ができます。
ムメフラールは血液をサラサラにする作用があります。
血流をよくすることで血栓予防や動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つと言われています。
血流が良くなると酸素や栄養分の供給も良くなり、疲労回復や老化の予防にも期待できます。
梅の分類「梅干」と「調味梅干、調味梅漬」
一般的に家庭で食べられる梅干は、「梅干」と「調味梅干、調味梅漬」の2つに分類されます。
梅干
梅干は、完熟した梅、塩、シソのみを使って漬けられ、その後干したものをいいます。
昔ながらの酸っぱくてしょっぱい梅干がこれにあたります。
調味梅干、調味梅漬
調味梅干と調味梅漬は、カツオ節やハチミツなどの味を付けた調味液に漬けて作られた梅干や梅漬を指します。
スーパーで売られている梅干のほとんどはこれにあたり、酸味や塩分が抑えられているため食べやすいものが多いです。
これらは原材料表示に「調味梅干」や「調味梅漬」と記載されているため、購入する際は参考にしてみてください。
(小梅を使用している場合は、「調味小梅干」「調味小梅漬」と表記されています。)
梅について
梅はバラ科サクラ属の樹木で、春には葉よりも先に香りの強いピンクや白などの花が咲きます。
果実は民間薬や、果肉を真っ黒にいぶした「烏梅(うばい)」と呼ばれる生薬としても利用されています。
ほかにも、特有の酸味と香りがあるため、さまざまな用途で加工されます。
また、梅には観賞用としての「花梅(はなうめ)」と、食用としての「実梅(みうめ)」があり、それぞれ非常に多くの品種があります。
スポンサーリンク
まとめ
どの食べ物にも共通するものですが、身体に良いからと言って食べ過ぎはかえって身体によくありません。
梅も同じことが言えます。
梅干の場合は1日1粒で十分な栄養を摂ることができますので、毎日少しずつを意識して取り入れてみてくださいネ。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
コメントは受け付けていません。