最近、涙を流していますか?泣くことを我慢していませんか?

 

マイナスなイメージもある「泣く」という行為ですが、そもそも人間に備わっている大切な機能です。

 

涙がこぼれてしまうことには、きちんと意味があるので我慢するのはもったいないです。

 

泣くと落ち着くのは自律神経がうまく働いた証拠。

 

涙の秘めた健康パワーをくわしく紹介します。

 

 

涙で病気への抵抗力が高まる!?

ある病院で、次のような実験が行われました。

 

 

患者を2グループに分け、片方のグループにだけ落語の人情話を聞かせて 涙を流してもらいました。

 

すると、涙を流した患者グループは、もう片方のグループと比べて病気への抵抗力が高まっていることがわかりました。

 

 

つまり、感情の動きによる涙には、こちらの2つがあるということがわかります。

 

・人の心を落ち着ける働き

・身体の抵抗力を高める働き

 

 

辛い時、悲しい時に涙が溢れてくるのは、ストレスから心と身体を守るためだと言えるのですネ。

 

まさに、人間が社会生活をする中で身に付けた自然治癒力。

涙を我慢することは心と身体にとっては良くないといえます。

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嬉し涙や感動の涙は?

 

 

「いや、ちょっと待って。じゃあ嬉し涙は何なの?」

それに、「感動的な映画を観た時の涙は?」

 

そう疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。

 

 

確かに、嬉し涙や、映画を観て感動した時の涙はストレスとは関係ないように思えます。

 

しかし実は、この涙には人間の複雑な感情の動きが関係しているのです。

 

 

嬉し涙

 

まず、嬉し涙について考えてみましょう。

 

「嬉し涙」とは言いますが、嬉しい時であればいつでも涙が流れるわけではありません。

 

 

例えば、宝くじが当たった時には、涙を流すイメージはありませんよネ?

 

嬉し涙というのは、 何かしらの苦境を乗り越えた結果としての喜びに対して流れるものです。

 

なので、
「そこに至るまでのストレスを解放するために泣く行為」だと言えますネ。

 

 

感動の涙

 

 

次に、映画など他人のエピソードに感動をした場合についてです。

 

 

この時も、感動をする対象については、「何らかの苦しみを乗り越えてきたこと」 が前提としてあるはずです。

 

 

人間は「共感する能力」が非常に発達しています。

 

映画の登場人物が味わった苦しみを、自分のことのように捉えられるのです。
そして、そのストレスを解放するために涙を流します。

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涙は自然治癒力!?

 

このように、嬉し涙や感動の涙にも、苦しみやストレスが必要となります。

 

しかしそれは、過去のものや、擬似的なものです。

 

 

自分が直接ストレスにさらされて涙を流すよりも、負担が少なくリフレッシュすることができるのです。

 

涙は人間が社会生活を送る上で欠かすことのできない自然治癒力です。

 

 

普段、泣きたくても泣けない方は、自分の部屋で感動的な映画を観るなどして、こっそり涙を流しましょう。

 

泣いてスッキリした分、笑えることも増えるはずです。

 

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涙には3つの種類がある

 

 

まず、一口に「涙」と言っても種類があることを知っていましたか?

 

実は涙には、3つの種類があるんです。

 

 

①基礎的な涙

 

眼球を潤すために、常に分泌されている涙

 

 

②反射性の涙

 

外部からの刺激を受けた時に分泌される涙

 

 

③心因性の涙

 

感情の起伏によって分泌される涙

 

「基礎的な涙」と「反射性の涙」は、目を守るための機能として役割がわかりやすいですネ。

 

ただ、3つ目の「心因性の涙」については、何のためのものか、ちょっとわかりづらい気が…。

 

 

実は、感情の動きによって涙が流れるメカニズムは、あまりよくわかっていません。

 

でも、「なぜ涙が流れるか」ではなく、「泣くとどうなるか」という観点で考えると、心因性の涙の意味が見えてきます。

 

 

自律神経(交感神経・副交感神経)の働き

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人間には無数の神経が体内にあり、自律神経もその中のひとつです。

 

自律神経は、内臓の働きや代謝、体温などの機能を調整してくれる大切なものです。

 

 

交感神経と副交感神経の働き

 

人は、泣こうとする時には気持ちが高ぶり【交感神経】が活発になります。

 

でも、いざ涙が流れ始めると、今度は【副交感神経】が活発になるのです。

 

 

・交感神経は、人を興奮状態にさせる働きがあります。(昼間や活動しているときに活発に働きます)

 

・副交感神経は、リラックス状態にさせる働きがあります。(夜やリラックスしているときに活発に働きます)

 

 

泣いた後にスッキリした感じがするのは、自律神経(交感神経と副交感神経)がうまくきりかわったからなんです。

 

 

まとめ

 

自律神経が乱れると臓器にも良くありません。

 

また、だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、 下痢、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、口やのどの不快感、頻尿、イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、ゆううつになる、その他などなど多くの症状が出る「自律神経失調症」という病気も自律神経のバランスが崩れるからです。

 

感動して涙を流すと血液中のストレスホルモンが減少することがわかっています。

 

そして、痛みや精神ストレスを沈めて快感を高める神経伝達物質(βエンドルフィン)も増えることもわかっています。

 

たくさん泣いて、たくさん笑って、自律神経に正常に働いてもらい、涙のもつ健康パワーをしっかり活用しましょう。

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。