体調を崩して病院に行ったときに、漢方薬を処方されたことはありませんか?
病院では西洋薬を処方されることが多いですが、漢方薬が処方されることも当たり前になってきましたネ。
実は漢方は日本で独自に発展した医学なんです。
では、風邪の症状が出たときにどんな漢方薬がおすすめなのでしょうか。
漢方医学と西洋医学の考えの違いについても紹介します。
目次
風邪の症状別おすすめ漢方薬
風邪の症状別に処方されるおすすめ漢方薬を簡単にご紹介します。
風邪の症状だとしても、漢方の場合は薬も人によって変わってきます。
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症状別おすすめ漢方薬
まずこちらの漢方薬を知っておくと便利です。
葛根湯(かっこんとう)
風邪の初期症状でよく聞かれる葛根湯。
葛根をはじめとした生薬のほか、甘草(かんぞう)や芍薬(しゃくやく)が配合されています。
体力がある程度ある状態の人向けで、肩こりや頭痛の症状にも使われます。
麻黄湯(まおうとう)
葛根湯と同じく風邪の初期に使われることが多いですが、比較的症状の重い場合に使われ、葛根湯よりも強い発汗を促す作用があります。
新陳代謝の高い子供に向いており、熱の出る急性の疾患(初期)にも使われます。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
体力が低下している人向けで、咳が続くときに用いられる昔ながらの漢方薬です。
また、咳が出る風邪のほかにも気管支ぜんそくの症状が出ているときにも使用されます。
銀翹散(ぎんぎょうさん)
風邪のひきはじめの状態からのどが腫れて痛む「のど風邪」におすすめです。
のどの腫れや炎症、口腔内の渇きや咳を改善します。
銀翹散は発症の初期段階であるほど、効き目が出る漢方薬です。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
鼻水やくしゃみがひどい時には、葛根湯に比べて鼻を改善する生薬がたくさん配合されている小青竜湯がおすすめです。
水溶性のたんを伴う咳や鼻が出る気管支炎やぜんそく、アレルギー性鼻炎・花粉症などにも効果があります。
上記で紹介した以外にも風邪の際に処方される漢方薬はこちらのような薬があります。
風邪の症状により使い分けます。
桂枝湯(けいしとう):寒気がするし汗も出ている
天津感冒片(てんしんかんぼうへん):少し寒気がありのどが痛く熱っぽい
養陰清肺湯(よういんせいはいとう):のどの腫れて痛む、咳や痰がからむ
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):酷い咳や黄色い痰
※他にも風邪におすすめの漢方薬はあります。
風邪はそのときによって症状も様々なため、長引く場合などは処方される漢方薬も変わることがあります。
漢方医学と西洋医学の違い
漢方医学と西洋医学にはそれぞれが得意とする分野があり、考え方そのものが違います。
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漢方医学とは
身体全体の調子を整え、本来持っている身体の治癒力を自然に高めることを基本としています。
また心と身体を一つのものとして考えます。
その漢方医学にもとづいてつくられる漢方薬は、自然の植物や鉱物などの生薬を複数組み合わせてつくられた薬です。
西洋医学とは
不調の原因になっている部分に絞って集中的に治療するもので、治療の効果が短期であらわれることも多く、用いられる薬は精製されたほぼ純粋な薬物が使用されます。
漢方医学と西洋医学は根本的な考え方が異なっています。熱や痛みをとったり、血圧を下げたいときには西洋薬を使い、検査ではあらわれにくい不調などには漢方薬を使うなど、お互いの長所を活かして両方処方されることも一般的になってきています。
漢方は日本発祥の医学
漢方と聞くと中国をイメージされる方もいるかと思いますが、実は日本で独自に発展した医学です。
中国から生薬などとともに医学が伝わったのは5~6世紀以降です。
はじめは伝来した中国の医学にそって診断や治療が行われていました。
その後日本の風土や気候、日本人の体質などに合わせた進化を遂げ、発展してきたのが現在の「漢方」です。
漢方の考え方
漢方では「証(しょう)」と「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方があります。
証
証とは、その人の体質や症状を含めた状態をあらわすものです。
そのため証が異なっていれば、同じ症状が出ている場合でも、処方される漢方薬は変わってきます。
気・血・水
気は「生命エネルギー」、
血は「全身を巡る血液」、
水は「血液以外の体液や水分」
のことを指します。
この「気・血・水」が体内を滞りなく循環することで、臓器や各組織が正常に働き、心身の健康が保たれます。
そのため漢方では主にこの「気・血・水」の状態を診て薬を処方したり、不調の問題を探っていきます。
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まとめ
最近では、漢方薬も科学的に検証され、有効性が実証されてきています。
薬が苦手な方も多いかもしれませんが、体調を崩したりしたときには、西洋薬のほか漢方薬の力も借りてみてください。
ただし、持病のある方や薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談をしてから試すようにしてくださいネ。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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