不眠で悩む多くの人たちに期待されている『トリプトファン』。
トリプトファンは不眠解消だけでなく、ほかにも美肌、鎮痛、集中力、記憶力、PMSなどの健康効果が期待されています。
トリプトファンの期待される効果の詳細と、トリプトファンを多く含む食品を紹介していますので、上手に摂取して効果を高めてくださいネ。
目次
トリプトファンを多く含む食品は?
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トリプトファンはさまざまな食品にしっかりと含まれているアミノ酸なので、あまり神経質に「トリプトファンを食べなきゃ!」って考える必要はありません。
でも、快眠生活のためには、トリプトファンを多く含む食品を朝食メニューに採り入れるのがオススメです。
では、どんな食材に、どのくらいのトリプトファンが含まれているのでしょうか。
文部科学省の『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』を参考に、おもな食材に含まれているトリプトファンの量を紹介します。
精白米・食パンのトリプトファン含有量
食パン:95mg
精白米:35mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
量はさほど多くないですが、ごはんやパンにもしっかりとトリプトファンは含まれています。
トリプトファンを多く含む食品ランキング
1.乾燥かずのこ :1300mg
2.乾燥卵白 :1300mg
3.削り節 :1000mg
4.たたみいわし :870mg
5.するめ :590mg
6.煮干し :490mg
7.エメンタールチーズ:410mg
8.車麩 :350mg
9.練りゴマ :350mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
トリプトファンが最も多いのは“乾燥かずのこ”と“乾燥卵白”が1300mgで1位タイ。
でも、目にすること、たべることは少ない食材ですよネ。
煮干しや麩(ふ)、ゴマなどにもトリプトファンは豊富なので、料理に活かしてみてください。
魚や肉もトリプトファンを多く含んでいるの?
魚介類
1.サバ(焼き) :350mg
2.ムロアジ(焼き ):340mg
3.メカジキ(焼き) :320mg
4.紅鮭(焼き) :310mg
5.秋穫りカツオ(生):300mg
6.秋刀魚(焼き) :290mg
7.ほっけの開き(焼き:240mg
8.生ウニ :200mg
9.甘エビ(生) :190mg
10.ズワイがに(茹で):140mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
朝食のおかずにもぴったりの魚介類には、比較的豊富なトリプトファンが含まれています。
旬のおいしさを積極的に朝食に採り入れましょう。
肉類
1.鶏もも肉(皮付き/焼き) :350mg
2.とんかつ(ヒレ肉) :320mg
3.鶏からあげ :290mg
4.豚肉(ばら脂身付き/焼き) :220mg
5.牛肉(肩ロース赤身/生) :200mg
6.牛肉(肩ロース脂身付き/生):160mg
7.フランクフルトソーセージ :150mg
8.ベーコン :140mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
牛肉や豚肉、鶏肉などもトリプトファンを多く含んでいます。
削り節やたたみいわしを100gを食べるのは大変ですが、お肉ならたっぷり食べれますネ。
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卵や乳製品もトリプトファンを多く含んでいるの?
1.プロセスチーズ :290mg
2.鶏卵(生) :180mg
3.鶏卵(ゆで) :180mg
4.ジャージー牛乳 :50mg
5.ヨーグルト(全脂無糖):48mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
野菜もトリプトファンを多く含んでいるの?
1.ながいも(生) :63mg
2.ほうれん草(ゆで) :51mg
3.春菊(生) :40mg
4.タケノコ(ゆで) :30mg
5.セロリ茎(生) :28mg
6.サニーレタス(生) :20mg
7.じゃがいも(蒸し) :17mg
8.さつまいも(蒸し) :16mg
9.キャベツ(生) :11mg
10.タマネギ(生) :11mg
11.リーフレタス(生):9.3mg
12.ニンジン(生) :8.8mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
キャベツやレタスなどにはやや少なめですが、春菊やほうれん草などにはしっかりと含まれていますネ。
フルーツはトリプトファンを多く含んでいるの?
1.アボカド(生):34mg
2.バナナ(生) :10mg
3.いちご(生) :8.2mg
4.リンゴ(生) :1.1mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
アボカドには比較的多く含まれていますが、フルーツにはトリプトファンは少なめな感じです。
豆やナッツ類はトリプトファンを多く含んでいるの?
1.油揚げ :350mg
2.煎りゴマ :340mg
3.湯葉(生) :310mg
4.落花生 :280mg
5.挽き割り納豆 :240mg
6.アーモンド(フライ味付け):210mg
7.くるみ :200mg
8.木綿豆腐 :98mg
(100g中に含まれる量。単位/mg)
大豆やナッツ類はトリプトファンを多く含んでいますネ。
納豆とごはん、油揚げやお麩の味噌汁に卵焼きとか、実は快眠朝食メニューといえそうですネ。
栄養のバランスも大切です!
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比較的トリプトファンを多く含む食材とともに、朝食メニューで気になる食材のトリプトファン含有量を順に並べてみました。
料理好きな方なら、食材リストを見ているだけで、いろんなメニューが思い浮かんだことでしょうネ。
「朝食でトリプトファンをしっかり摂取!」はもちろん大切なことなのですが、このようにトリプトファンは多くの食材に含まれていますから、あまり神経質になる必要はありません。
なにより、毎日きちんと朝ごはんを食べるよう心掛けましょう。
噛むことで脳に刺激が伝わって目覚めにつながる効果もありますから、よく噛んで食べることも大事です。
また、トリプトファンからセロトニンやメラトニンを生成するためには、炭水化物やビタミン類も必要です。
目安としては4品以上の食材を活用して、栄養バランスにも配慮した朝食を心掛けてくださいネ。
快眠に大切な物質『セロトニン』と『メラトニン』とは?
快眠に関わる、人間の体内で生成される大切な物質。
それがセロトニンとメラトニンです。
この2つの物質について、説明しておきましょう。
セロトニン
昼間、太陽光を浴びることなどで、必須アミノ酸のトリプトファンから生成される神経伝達物質。
精神を安定させて、日中の覚醒を促したり、体温調節などにも関与しています。
メラトニン
脳の松果体という部分でセロトニンから生成される脳内ホルモン。
夜になると分泌量が上昇し、深部体温を下げるなどの働きで質の良い眠りをもたらしてくれます。
快眠のためにはメラトニンがしっかり分泌されることが大切なのですが、メラトニンの元はセロトニン、そしてセロトニンの元になるのが、このトリプトファンなんです。
トリプトファン摂取は朝がオススメ!
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トリプトファンは、人間が体内で合成することができない必須アミノ酸なので、食事できちんと摂取する必要があります。
そして、トリプトファンが脳内に到達し、メラトニンが分泌されるまでにはある程度の時間が必要なので、とくに朝食でしっかり摂取するのが効果的といわれているのです。
WHOの必須アミノ酸推奨摂取量によると、成人が1日で摂取すべきトリプトファンの量は体重1kg当たり4mg。
なので、体重が50kgの人であれば毎日200mg程度のトリプトファンを摂取するのがオススメ、ということになりますネ。
この推奨摂取量は成長期にある子どもや赤ちゃんのほうが多くなっている(3~14歳では4.8mg/kg!)ので、子どもの食事にもしっかり気を配ってあげましょう。
トリプトファン5つの効果
トリプトファンに期待される5つの効果を紹介します。
1.不眠解消の効果
トリプトファンは脳に運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムとともに神経伝達物質であるセロトニンをつくる原料となります。
セロトニンには寝つきを良くする睡眠効果や、興奮や不快感を鎮めて精神を安定させる効果があり、不足すると睡眠障害などに陥りやすくなります。
セロトニンは、脳でメラトニンに変換されます。メラトニンは体内時計の調整を行う働きがあり、睡眠サイクルを正常にしたり時差ぼけに効果があるなど睡眠と深い関係を持っています。
2.美肌効果
トリプトファンには、体内で発生した活性酸素を除去する作用があることから、美肌効果があるとされています。
「若返りの薬」ともいわれるメラトニンの分泌量は年齢を重ねるほど減少するといわれていて、脳内のトリプトファン濃度が高まればセロトニンが増えてメラトニンとなり老化防止に効果があると期待されています。
3.鎮痛効果
アメリカのテンプル大学健康科学センターで、トリプトファンが鎮痛剤としての働きを持つことを証明する実験が行われました。
その実験で、あごに慢性的な痛みをもつ患者のグループにトリプトファンを投与してセロトニンの濃度を高めたところ、痛みの軽減に加え歯に痛みが加えられたときの耐性も強くなったとの報告があるそうです。
4.集中力や記憶力を高める効果
トリプトファンは、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質をつくるために、チロシンと一緒になって働きます。
ドーパミンとノルアドレナリンとは、ホルモン調節に関わり、気分を高めてやる気を生み出すホルモンです。
これまでの研究では、脳や行動障害の治療に役立つことが分かっており、不眠症やうつ病治療への効果も期待されています。
オハイオ州立大学医学部の研究では、子どもたちに1週間トリプトファンを与えたところ、学習能力について良い結果が得られたという報告もあります。
チロシンとは:アミノ酸の一種。神経伝達物質の材料なので、脳や神経の働きを活発にするとされている。
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5.月経前症候群(PMS)を改善する効果
トリプトファンを摂取することで、鎮痛作用や精神を安定させる効果があるため、月経前のイライラや体の不調を改善できる効果があるといわれています。
その他もトリプトファンは、免疫系に働きかけ、コレステロール値や血圧を調整したり更年期障害の症状を緩和するなど多くの効果があります。
トリプトファンと睡眠の深い関係
トリプトファンはセロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンと言った物質の材料とされ、体内でそれらの物質に合成されます。
なので、トリプトファンが不足すると、不眠症などの睡眠障害を起こしたり、うつ病を起こしたりする可能性があります。
逆にしっかり取ることができれば、メラトニンが分泌され、眠りの質が上がり、不眠の解消なども期待できるのです。
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まとめ
トリプトファンは不眠だけでなく、美肌、鎮痛、集中力、記憶力、PMSなどの効果も期待されています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。